『ふたり旅フィルム』とは何か
『ふたり旅フィルム』は、ただ動画を撮るサービスではありません。
水間門前町で過ごすふたりの体験を、あとから見返せる短いフィルムとして残す、新しい日帰り旅のかたちです。
キャッチコピーは、
自撮りでは残せない、ふたりの旅の空気まで。
ターゲットは、大阪市内在住の20代後半から40代女性のふたり旅を想定しています。友人同士、姉妹、親子、職場の仲の良い人、久しぶりにゆっくり話したいふたり。そういう人たちが、大阪市内から日帰りで水間門前町へ来る。人力車に乗り、水間寺へ向かい、水間の町の空気を感じ、陶芸体験を楽しむ。その一連の時間を、第三者目線で動画として残す。それが、今考えている『ふたり旅フィルム』です。
電車で水間門前町に来てもらう意味
今回のプランでは、大阪市内から電車で来てもらう流れを想定しています。
南海貝塚駅で水間鉄道に乗り換え、水間観音駅で降りてもらう。ここから体験が始まります。
大阪市内では、車を所有するハードルが高い人も多いです。駐車場代だけでも月に数万円かかることがあります。そのため、日常的に電車移動に慣れている人も多い。そう考えると、大阪市内在住の女性ふたり旅を想定するなら、車ではなく電車で来てもらう導線は自然だと思っています。
そして、電車で来ること自体も旅の一部になります。普段乗らない水間鉄道に乗る。ゆっくり景色が変わっていく。終点の水間観音駅に降り立つ。その時点で、少し日常から離れた感じがあります。
水間観音駅から始める理由
現在の人力車コースは、水間寺まで車で来て、そこから人力車に乗り、水間観音駅へ下り、また水間寺まで戻る流れが中心です。もちろん、このコースにも良さはあります。
ただ最近考えているのは、このコース設計には少し甘さがあるのではないかということです。水間門前町の一番の名所は、やはり水間寺です。本堂があり、三重塔があり、歴史と祈りが続いている場所です。でも、現在の流れでは、最初に水間寺へ来てから人力車に乗ることになります。つまり、体験のピークが最初に来てしまう。これは少しもったいないと感じています。
そこで『ふたり旅フィルム』では、スタート地点を水間観音駅にしたいと考えています。水間観音駅でお迎えをする。そこから人力車に乗る。水間街道を進む。そして、右手側に水間寺の三重塔と本堂が見えてくる。この流れにすると、体験の中で自然にピークを作ることができます。
ピークエンドの法則を意識したコース設計
今回のコースでは、ピークエンドの法則も意識しています。
人は体験全体を、すべて均等に覚えているわけではありません。特に印象に残るピークの瞬間と、最後の印象によって、その体験全体の記憶が左右されやすいと言われています。
だからこそ、水間寺を最初に見せるのではなく、人力車で水間街道を進む中で少しずつ水間寺へ近づいていく。そして、三重塔や本堂が見える瞬間に、気持ちが高まるようにする。ここに体験のピークを作りたいと思っています。
水間観音駅に降り立つ。人力車に乗る。水間街道を進む。町の空気を感じる。そして、水間寺が見えてくる。この流れの方が、ふたり旅の体験としては自然で、印象にも残りやすいのではないかと考えています。
水間鉄道に乗ることも体験の一部
水間鉄道は、水間門前町に向かうための単なる移動手段ではありません。
100年の歴史がある鉄道に乗り、歴史ある水間観音駅の駅舎に降り立つ。それ自体も、ひとつの体験になります。大阪市内から来る人にとっては、水間鉄道に乗ることも非日常です。
普段の通勤電車とは違う。都会の移動とは違う。ローカルな鉄道に乗って、少しずつ景色が変わり、終点で降りる。この時点で、「旅に来た」という感覚が少し生まれるのではないかと思っています。その感覚を、水間観音駅でのお迎えから人力車につなげていく。ここも、『ふたり旅フィルム』の大事な設計です。
人力車で水間寺へ向かう
水間観音駅でお迎えしたあとは、人力車に乗って水間寺へ向かいます。
水間街道をゆっくり進む。歩くより少し目線が高くなる。風を感じる。町の雰囲気を感じる。ふたりで並んで座り、少し照れながら笑う。その様子を、第三者目線で撮影します。
自分たちでスマホを向けるのではなく、ふたりとも体験の中にいる。ここが大事です。撮るために旅を止めるのではなく、旅を楽しんでいる様子を自然に残す。人力車に乗っている時間は、まさにそのために合っていると思っています。
水間寺を参拝する
人力車で水間寺まで向かったあとは、水間寺を参拝してもらいます。
水間寺は、水間門前町の中心にある場所です。この町に来たなら、やはり水間寺の存在は外せません。ただ観光スポットとして見るだけではなく、実際にお参りする。本堂や三重塔を見ながら、少し静かな時間を過ごす。ふたりで並んで歩く。お参りをする。そういう時間も、フィルムの中に残していきたいと思っています。
水間寺は、大きな観光地のように派手な場所ではありません。でも、だからこそ、落ち着いた空気があります。その空気を映像でどう残すか。ここもモニター試験で確認したい部分です。
千石舘で陶芸体験を楽しむ
水間寺を参拝したあとは、千石舘で陶芸体験を楽しんでもらう流れを考えています。
『ふたり旅フィルム』は、人力車だけで完結するプランではありません。水間門前町で過ごす、ふたりの体験全体を残すプランです。その中で、陶芸体験はとても相性が良いと感じています。
陶芸体験は、自分たちで写真や動画を撮るのが難しい体験です。両手を使います。土に触れます。集中します。作っている途中でスマホを持つことはできません。つまり、自撮りがしにくい体験です。
でも、その表情はきっと良いはずです。真剣な顔。うまくいかずに笑う瞬間。ふたりで見比べる時間。完成を楽しみにする会話。そういう自然な姿を、第三者目線で残せることに価値があるのではないかと思っています。
自撮りでは残せない体験を残す
通常の人力車体験であれば、自撮りをすることもできます。写真を撮ることもできます。でも、第三者目線での動画撮影はなかなかできません。特に、陶芸体験のように、両手を使って集中する体験では、自撮りはかなり難しいです。
だからこそ、『ふたり旅フィルム』には価値があるのではないかと考えています。当日は、撮影することを気にせず、体験を楽しむことに集中してもらう。その様子をこちらで撮影する。そして後日、短いフィルムとして編集し、データでお渡しする。そうすれば、当日は思いきり楽しめる。帰ってからも楽しめる。数年後にも、「あの日、水間門前町に行ったね」と思い出せる。ここが、『ふたり旅フィルム』で届けたい価値です。
帰ったあとでも楽しめる旅にする
旅行や日帰りのお出かけは、その日だけで終わってしまうことが多いです。もちろん、その場で楽しいことは大切です。でも、あとから見返せるものがあると、楽しさは少し長く続きます。
帰りの電車で思い出す。数日後に動画を見る。友人に見せる。数年後に見返す。そのたびに、あの日の空気をもう一度感じることができる。
『ふたり旅フィルム』のベネフィットコピーは、帰ってからも続く、ふたり旅。これは、かなり大事な考え方です。旅を、その日だけで終わらせない。体験を、思い出として持ち帰る。水間門前町で過ごした時間を、あとからもう一度楽しめるようにする。ここに価値を感じてもらえるかどうか。それを、これからモニター試験で確かめます。
本当に価値を感じてもらえるのか
ここまでプランを考えてきましたが、まだわからないことがあります。それは、この内容に本当に価値を感じてもらえるのかということです。
大阪市内から水間門前町まで電車で来る。水間鉄道に乗る。水間観音駅で降りる。人力車に乗る。水間寺を参拝する。陶芸体験をする。その一連の体験を動画で残す。後日、編集したデータを受け取る。
自分たちは良いプランだと思っています。でも、お客様がどう感じるかは別です。移動距離は負担にならないか。料金に見合う価値を感じてもらえるか。動画はどのくらいの長さが良いのか。どんなシーンがあると嬉しいのか。撮影されることに緊張しないか。体験に集中できるか。「また見返したい」と思える内容になるか。これは、実際にやってみないとわかりません。
モニター試験で検証したいこと
今回のモニター試験では、ただ動画を撮って終わりではなく、いくつか確認したいことがあります。
まず、コースの流れです。水間観音駅スタートが自然なのか。人力車で水間寺へ向かう流れが良いのか。水間寺参拝から陶芸体験への流れに無理がないか。
次に、撮影の距離感です。近すぎると緊張するかもしれません。遠すぎると表情が残りません。自然なふたりの空気を残すには、どの距離感が良いのか。
そして、動画内容です。人力車のシーンを多めにするのか。陶芸体験を多めにするのか。会話や笑いを入れるのか。風景をしっかり入れるのか。短くテンポよく見せるのか。余白を残してゆっくり見せるのか。ここも検証が必要です。
最後に、価値の感じ方です。お客様が、この体験を「また誰かにすすめたい」と思うのか。料金を払ってでも利用したいと思うのか。普通の日帰り旅ではなく、『ふたり旅フィルム』として選ぶ理由があるのか。ここを確認したいと思っています。
プロダクトアウトから、実証へ
『ふたり旅フィルム』は、最初からお客様の声から生まれたサービスではありません。どちらかというと、自分たちが考えたプロダクトアウトのサービスです。
人力車と動画を組み合わせたら面白いのではないか。水間門前町で過ごすふたり旅を、フィルムとして残せたら価値があるのではないか。そう考えて生まれました。
でも、プロダクトアウトで生まれたものは、実際に必要とされるかを確かめなければいけません。自分たちが良いと思っているだけでは、事業にはなりません。お客様が価値を感じて、お金を払ってでも利用したいと思ってくれるか。そこまで確認する必要があります。
だから、モニター試験に進みます。小さく試す。反応を見る。改善する。また試す。この繰り返しです。
まとめ
2026年5月23日現在。人力車 誠屋の新しいプラン、ふたり旅フィルムは、いよいよモニター試験に進みます。まずは3組ほど。
現在想定しているターゲットは、大阪市内在住の20代後半から40代女性のふたり旅。南海貝塚駅から水間鉄道に乗り換え、水間観音駅で降りる。水間観音駅でお迎えし、人力車に乗って水間街道を進み、水間寺へ向かう。水間寺を参拝し、その後、千石舘で陶芸体験を楽しむ。その一連の体験を、第三者目線で動画撮影し、後日編集したデータとしてお渡しする。
通常の人力車では残せない映像。陶芸体験中には自分たちで撮れない表情。その日だけで終わらず、帰ったあとにも楽しめる旅の記録。この内容に価値を感じてもらえるのか。どんな動画内容が喜ばれるのか。どの流れが自然なのか。どこに改善点があるのか。それを、モニター試験で検証していきます。
まだ成功したわけではありません。でも、考えていたものを、実際に試す段階まで来ました。ここからは、机上の仮説ではなく、実際のお客様の反応を見ながら磨いていく段階です。ふたり旅フィルムが、本当に世の中に必要とされる商品になるのか。その第一歩として、まずは3組のモニター試験から始めます。
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Makotoya
検証段階に入った『ふたり旅フィルム』の流れを追いかけたい方へ
企画が固まるまでの思考や、水間門前町でムービープランを育てていく過程をあわせて読むと、今回のモニター試験に進む意味がより見えやすくなります。